ばかうけ

シャンプー

普段と変わらない学校の休み時間。
ふと、杏子が言った。
「獏良くん、シャンプー変えた?」
「よく気付いたね。さすがは杏子さん」
女は男ならまず気付かない、細やかなことに目がいく。
気付いてもらえることを期待していたわけではないが、獏良は素直に感心して頷いた。
「なんで分かるんだぁ?」
今の今までずっと獏良の隣の席に座っていた城之内が目を丸くした。
「あんたがニブいだけよ。だーかーら、モテないんだぞ」
「うるせー」
杏子はころりと表情を変え、女友達に接するように獏良の髪を持ち上げた。
「甘い、いい香り」
「値下げしてたから、奮発したんだ」
「どこで買ったの?」
「駅の方の商店街の……」
どこか間違った男子高生と女子高生の会話を城之内と遊戯は遠巻きに見ていた。
「わっかんねーなぁ」
「……うん」
遊戯の返事に気のないことに気付き、城之内が首を傾げた。
「遊戯?」
遊戯が複雑な面持ちで、獏良の方を見ている。
「……え?何でもないよっ」
城之内の視線に気付き、遊戯が慌てた様子で手を振る。
「そうかぁ?」
「うんっ」
遊戯はこっそりと思っていた。
『それって、バクラくんに交代したら、バクラくんも甘いいい香りがしちゃうってことだよね』
何となく言ってはいけない気がして、遊戯はつっこむのを耐えた。


ヒャハハと笑いながら、いい香りが漂っちゃうのです。

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「うーん。どれが良いかなぁ?ねぇ、バクラ」
「ンなもん、ネギでも植えときゃ良いだろうが」
「ちゃんと考えてよね」
二人が訪れたのは、なかなか種類の揃った花屋。
獏良がふと花を育ててみたいと思い付いたことからやってきた。
一人暮らしの寂しい家も、花の一輪や二輪あれば、雰囲気が違ってくる。問題は何を植えるかだ。
「花なんざ腹の足しにもなんねぇじゃねぇか」
「満たされるってことは食欲のことだけじゃないんだよ。お前に分かる……とは思えないけど、想像してみなよ。花のある生活を」

朝食の準備の空いた時間に、花に水をやる為にベランダに出る獏良。
エプロン姿で手にはジョウロ。
鼻歌を口ずさみながら花に水を与える。
「早く大きくなってねvお花さんvv」

「何?!その締まりのない顔は!」
「なっ、なんでもねぇよ」
軽蔑の眼差しでバクラを見やる。
「時々思うけど、お前って僕に変なフィルターかけてるよね。ある意味別の花が咲いてるよ」
「うるせぇ」
色とりどりの花を片っ端から見ていくのだが、なかなかこれぞという花が決まらない。
「素人が薔薇とか蘭とか育てられるわけないしねー」
温室に入れられた花束用の花を見ながら獏良が呟いた。
他の花たちよりも一段と華やかに見えるそれらは、どこか近寄り難い雰囲気があった。
「赤薔薇の花束って気障っぽくて手が出ないなぁ。一本なら洒落てるかもしれないけど。僕に合わないだろうし……」
「お前にはそれが良いんじゃねぇの」
突然、バクラが一つの苗鉢を指差した。
まだ幼くて何の花か見た目には分からないが、開化した様子の写真がそばに添えられている。
それは白い花で、飾り気はないが、可憐で自然そのままの美しさがあった。
「これ……?」
獏良は言われるがままに苗を持ち上げる。
「良いかも……うん、これにする」
「オレが選んだので良かったのか?」
少なからず驚いたバクラの問いに、獏良はこくりと頷いて見せた。

「すみませーん。これ下さい」

奥から出て来た店員に苗を渡し、簡単な世話の説明を受けた。
「大事に育ててあげてね」
袋に入れられた苗を受け取りながら、獏良は気になっていたことを尋ねた。
「この花の花言葉って何ですか?」

「ばかばかばかばか」
帰り道、袋を抱きかかえながら、獏良が小走りに"ばか"を連呼していた。
「たまたまだ!あんなの!知ってたわけじゃねぇ」
「そんなこと分かってるよ!ばか!」
耳まで赤く染まっているのは、沈む夕日のせいではない。
そう言う割には嬉しそうじゃねぇかとは、バクラは言わなかった。

その花言葉は
「永遠の愛」


あと、求愛とかもあった(さすがにそれは)。女子なのに詳しくなくて、すみません;
白くて、合った花言葉のある花を探すのが大変たった記憶が。花屋で売ってるのかは……知りません。

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オレがあいつであいつがオレで

あらすじ?
お互いにこいつさえいなければと、怨むあまりに?身体が入れ代わってしまったバクラと闇遊戯。
しかも今日は遊戯と獏良のデート日で……。


「納得いかねぇなぁ」
仏頂面でバクラが愚痴を零した。
「まあまあ」
遊戯がそれをなだめようとする。
数十分前まで、あらぬ疑いをかけられ、怒鳴られていたバクラの気持ちが晴れるわけがない。
そして、今のこの状況。
「うっわぁ、これ、面白そうだね」
「ああ。なかなかレアものだぜ」
ショーウインドウに張り付いて、楽しそうに会話をする獏良と闇遊戯。
あれから、予定を変えるのも勿体無いと、町へ繰り出していた。
友人として会話をしている獏良と闇遊戯だが、自然な笑顔を惜しげもなく浮かべる獏良を見て、バクラが面白いはずもない。
「それ以上、オレ様の宿主に近づくんじゃねぇ」
鼻息荒く、いちいち闇遊戯に突っかかっていく。
「愛されてるな、獏良くん」
「そーお?」
こっそりと囁く闇遊戯に、気のない返事をする獏良。
そんな何ともない内緒話も仲睦まじげに見えて、ますますバクラの機嫌は悪くなっていく。
「この変態王がッ!」
闇遊戯もバクラに言われて黙っているわけにはいかない。
「貴様こそ、相棒に馴れ馴れしくするな!そばにいるだけで、相棒が穢れるぜ!」
「あ゛あ゛ッ?穀潰しの分際で、よくもそんな口が利けたもんだな」
「そっちこそ、寄生虫なのを棚に上げてよく言うぜ」
元々、良好とは言えない仲に嫉妬も加わって、罵り合いが始まった。
「人のこと言えないくせに……」
「あそこまで分かってないと面白いね」
目の前で展開されるしょうもない応酬を、半ば呆れつつ見ていた。
「オレなんかなぁ……宿主さまを××に××て××××と×××せて×××まで×××××やるんだぜ」
「ハッ!そんなの、品も浪漫もないぜ。オレは×××の×で××××で相棒に×××せるのを××しているぜ」
周囲の人々には聞こえないが、とんでもことを言い出し始めた闇遊戯とバクラに、
「あ……のバカ!」
「あはは、何か、おかしいこと言ってるね」
遊戯と獏良は拳を握り締めた。
「そんなの……?!!」
漂う殺気にはっと闇遊戯とバクラは振り返った。
にっこりと笑顔を浮かべた二人がゆらりと歩み寄る。
「ちょっと待て……!」
「相棒、話せば分かる」

「「問・答・無・用!!」」

通りに決して響かない、叫び声が闇の中へとこだました。
こんなことになるなら早く元に戻りたいと、闇遊戯とバクラは二人仲良く思った。
それが叶うかどうかは、天のみぞ知る。


普段、居座ってて、どこか余裕のある二人を妬かせてみよう企画…のはずが、なんか違っちゃいました;
××のところの内容、すっかり…;なんだったかな…バクラの方は何となく覚えてます。そんなに凄い内容ではなかったことは確か。
某お方から、不完全燃焼だ!とのお叱りを受け(笑)、繋げて最後まで考えて打ってたのですが、PC大破でデータ吹っ飛びました…今のところ予定は…なし。

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