ばかうけ

流れ星

流れ星なんて流れなきゃ良いのに。
夜空を仰ぐたびにそう思う。
古来、人は言った
「流れ星に願いをかければ叶う」
と。
それ程までに流れ星は希望に満ち、美しい。
一方で、不幸の前兆と囁かれた。
空の欠片が命尽きるとき、炎をまとって墜ちていく姿なんて、どうして幸福の象徴だなんて言えるんだろう。
それは、決して夜空の主役になれなかった、ちっぽけな存在が最後の力をふり絞り、周りに知らしめようとしているようで胸が締めつけられる。
でも、目を背けることは出来ない。
僕たちには、最期を見届ける義務があるから。
願い事なんて叶わなくていい。
流れ星なんて流れなきゃ良いのに。
僕は涙を流しながら、空を見上げ続ける。
泣いたらダメだ。
星が見えなくなってしまう。
あんなに
あんなに
たくさん星が輝いているのに。


恋しいと想ってい続けていると、魂が抜け出してその相手の元へ飛んでいく…という流れ星の言い伝えに、くらりとしました。
ふたつのスピカ(アニメ)記念だったと思われます。

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