紅葉が雨のように舞う公園で、獏良は空を仰いでいた。
紅葉の隙間から漏れ見える空は、澄み渡っていて清々しい。
目の前に一枚の紅葉がひらひらと落ちてきた。
咄嗟に両手で捕まえる。
花びらや葉を落ちる前に取れたら、良いことがあるなんて遊びがあったなと、ぼんやりと思い出す。
太陽にかざすと、紅葉の赤がますます鮮やかになる。
細い葉脈が浮き出て、まるで人間の手のひらのように見えた。
そこに流れるのは、水などではなく血。
その色は当然のごとく赤だ。
見れば見るほど赤い。
血の色で染まりきった手のひらだ。
紅葉を空から目線の高さまで下げる。
目線の先には、バクラがいる。
紅葉とバクラの姿が重った。
「真っ赤だね」
バクラの瞳には、紅葉の赤が映っていた。
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盗賊王といえば赤色ということで。